コンクリートの床の冷たさが
上履きの靴底からしみてくる。
その日は朝から気温が上がらない
寒い寒い一日だった。昼休み、
ぼくは予約していたその日発売の
ボブ・ディランのアルバム『血の轍』が
入荷しているかどうかを確かめるため
レコード店に電話をかけていた。
「少々お待ちください」から
どのくらい時間が経っているのか
えらく待たされているような気がする。
窓の外ではとうとう雪が舞いだした。
「・・・・申し訳ありませんが・・・・」
「えっ、まだ入ってないんですか!?」
その辺にいた数人の人たちが
つい大声になったぼくを見た。
「じゃあ、また電話します」
ぼくはムッとして受話器を置いた。
その時、当時好きだった女子が
保健室から赤ら顔をして出てきた。
そしてぼくの横を素通りしていった。
寒さと、血の轍と、怒りと、恋心と、
1975年1月のことだった。
上履きの靴底からしみてくる。
その日は朝から気温が上がらない
寒い寒い一日だった。昼休み、
ぼくは予約していたその日発売の
ボブ・ディランのアルバム『血の轍』が
入荷しているかどうかを確かめるため
レコード店に電話をかけていた。
「少々お待ちください」から
どのくらい時間が経っているのか
えらく待たされているような気がする。
窓の外ではとうとう雪が舞いだした。
「・・・・申し訳ありませんが・・・・」
「えっ、まだ入ってないんですか!?」
その辺にいた数人の人たちが
つい大声になったぼくを見た。
「じゃあ、また電話します」
ぼくはムッとして受話器を置いた。
その時、当時好きだった女子が
保健室から赤ら顔をして出てきた。
そしてぼくの横を素通りしていった。
寒さと、血の轍と、怒りと、恋心と、
1975年1月のことだった。